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2004.06.20

Epitaph

 昔の学生運動、特に全共闘運動などの資料や、活動家の手記あるいは日記などを読むとき、いつも頭の中で鳴り響く曲は、King Crimson の "Epitaph" 。1969年発売のデビューアルバム "In The Court Of Crimson King" に収められた一曲だ。

 "Confusion will be my epitaph" 「『混乱』こそがわが墓碑銘」と歌うクリムゾンの叫びは、そのまま同時代の極東の小さな島国で起こっていた稚拙で無計画な叛乱を感じとっていたかのようだ。彼らの政治的主張はすでにお話にならないが、学生時代を遠く過ぎてしまった自分には、焦燥感ばかりだった学生時代が思い出され、情緒的には深く共鳴する部分もある。だから、誤解を恐れずに書くと、自分自身のあやまちと重ね合わせ、彼らの苦悩の記録を読むのは嫌いではない。

 彼らの時代や俺の学生時代と同じく、現在の社会にも理不尽なことは多く存在する。もはや大きな叛乱も起こらず、ある種の無力感さえ漂っている。しかし当時より矛盾は深まり、むしろ先鋭化していると言えるかもしれない。我々の前に広がるのは、ただ暗黒の世界 "Starless and Bible Black" とでもいうべきだろうか。

 だからといって俺は彼らと同じような結論には至りはしない。少なくとも虚無的になることはない。彼らが大切に持っていた何かについて俺はどうにも価値を見出せないかわりに、彼らが否定してみせた、粘り強く継続して取り組むべき何かが、俺にとってはなによりも大切なものであることだけははっきりしている。

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コメント

TBありがとうございます。
それで、何度か読んだのですけど、どうしてTBをいただいたのか、いまいちつかめませんでした。全体が抽象的のような気もして、意識的にそうしているのかなぁとも、別にそれでもいいんじゃないかとも思ったのですが・・・。何かコメントをしていただけないでしょうか。(振り返るととても変なお願いなんですけど)
もし書きにくいということであれば、私の方のブログにコメントしてもらえるとうれしいです。

投稿: 市川 | 2004.06.21 18:53

始めまして。
私はブログをやっていないものでトラックバックとやらも出来ないもので、ずうずうしくも書き込んでいます。
ホームページを始めて3年足らずの団塊世代、1948年生です。
>彼らの政治的主張はすでにお話にならないが・・・・

グーグルでの検索から、ふとした事でこちらのページを訪問しました。
小一時間ほど読ませていただきました。
上記の一節に行き当たり、ウヌッ・・・これはと反射的に書き込んだ次第です。
論理的な反論ができるほど頭が良くないもので悔しいのですが、個別私等は”政治的な主張”をした憶えはないのですが・・・・。

しかし、ブログはいいですね。
こうやって過去ログにもきちんと反応できるのですから。
宜しければ、生粋の全共闘の”過去ログ”にも訪問下さい。
当時のレアな映像記録もムービーで公開しています。

投稿: yamamoto | 2006.06.17 22:59

yamamotoさんはじめまして。

 yamamotoさんは日大闘争の体験者でいらっしゃったのでしょうか。もしそうですと私の両親の世代とほぼ同じということになりますね。

 私の文章がお気に障ったのでしたら、大変申し訳ございませんでした。ご批判をいただいて結構です。この記事は2年程前に書いたものですが、今思えば「お話にならない」という表現は誤解を生みそうで、我ながらまずい表現だと思っています。「この時代(=現代)にはもはや意味を失った主張もある」と書けばよかったかとも思っています。
 決して「あの時代の全共闘運動はまちがっていた」となどといっているのではありません。私も1980年代おわりに自治会活動にかかわっていましたが、冷戦終結にともなう困難に直面していた私たちにとっては「1969年」は栄光の時代にも思われました。あの時代を生きた方は正直うらやましくもあります。

 yamamotoさんのサイト、さっそく拝見しました。これから勉強のためにじっくり読ませていただこうと思っています。今後とも忌憚なきご意見をお待ちしております。

投稿: Rough Tone | 2006.06.20 05:48

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