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2004.06.21

ポディウムの夢ふたたび

 F1GPでB・A・R Hondaの佐藤琢磨がアメリカGPで3位入賞。1990年の鈴鹿での鈴木亜久里以来、14年ぶりの快挙を成し遂げた。

 そうか、あれからもう14年もたったのか。14年といえば、現在F1を走っているすべてのドライバーがまだデビューしていなかったころだ。いまや皇帝と称されるミハエル・シューマッハーでさえ1991年のデビューだから、日進月歩どころか秒進分歩のF1界にあってははるか大昔の話だ。

 14年前、バブル経済のなか日本は空前のF1ブームの只中にあった。当時は第2期ホンダエンジンの全盛期で、セナやプロストがチャンピオンシップを争っていた。鈴木亜久里はローラのシャシーにランボルギーニのエンジンをつんだエスポ・ラルースというチームにいた。セナとプロストが2年越しの因縁で第一コーナーの砂塵に消えたあと、1位と2位に入ったのはベネトン・フォードのピケとモレノ。ブラジル人師弟コンビだ。

 当時の日本はバブル全盛期で、エスポもレイトンハウスもフットワークも健在だった。日本のバブル紳士は競ってF1に投資し、その潤沢な資金をバックに日本人のF1チャンピオンの誕生もそう遠くないと思わせたものだった。このレースでは日本人初のF1ドライバー、中嶋悟も5位に入賞した。若い亜久里に先を越された中嶋には悔しさがにじんでいたのを覚えている。

 しかし、それから十数年、バブル崩壊とその後の日本経済の沈没の中で、日本人のF1フィールドでの活躍はあまりみられなくなってしまった。F1に投資した人々にはF1界だけでなく実社会からもほとんど姿を消した人々もいる。そして日本からのスポンサーマネーが充分に得られなくなった日本人のF1パイロットたちは、一時はまったくいなくなってしまったこともあった。一時的には驚くべき速さをみせたこともあるにもかかわらず、中嶋や亜久里はもちろん、片山右京にしても高木虎之介にしても、優勝はおろか、表彰台に立つことすらはできなくなってしまっていた。

 昔話はこれくらいにしよう。

 今日、インディアナポリスで佐藤はついにやってくれたよ。またもや前には同じチームの2台が前にいて、うちひとりはブラジル人だけれど。

 ほとんど最後尾からのスタートであったヤルノ・トゥルーリやファン・パブロ・モントーヤの走りも素晴らしかった。トヨタのパニスもいぶし銀の走りで好成績を収めたと思う。しかし、誰よりも誰よりも速かった佐藤がいちばんかっこよかった。ポディウムに立った3人へのインタビューに英語で答える佐藤を見て俺はなんと誇らしかったことか。バブルとは無縁のアスリート佐藤。ポディウムでは優勝したシューマッハのためのドイツ国歌と、バリチェロの故国ブラジルの国歌は流れたが、「君が代」は流れなかったみたいだね。

 次はもう、ポディウムの中央に立つしかないだろう。彼ならきっとやってくれそうだ。かつてWGP(現MotoGP)を席巻した日本人たちのようにね。

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コメント

 F1の表彰台での国歌は、優勝ドライバーと優勝チームのものが流される決まりだったと思います。ですから、シューマッハのドイツ国歌と、フェラーリのイタリア国歌ではないでしょうか。

投稿: さいと~ | 2004.06.21 06:33

さいと~さんこんにちは
コメントありがとうございます。

あれはブラジル国歌ではなくてイタリア国歌だったんですね。
そういわれてみればモトGPでもよく聴くような気がします。
はずかしい間違いをしてしまったなあ。
ドイツ国歌はハイドンの曲なのですぐわかったんですけど。

 ドライバーズ選手権とコンストラクターの選手権がかかっているはずですからそうなるのでしょうね。

投稿: Rough Tone | 2004.06.21 10:50

ピットインで順位が下がってしまってからの、琢磨の猛烈な追い上げ。
圧巻でした!
3位になった時点で「無理するな、リタイアするなー!」と叫んでいました。
表彰台で、シューとバリチェロの二人からシャンパンをぶっかけられている琢磨の姿・・・嬉しかったです(*^^*)
初優勝をぜひ目指して欲しいのですが、ピットインでいつも遅れるのが気になります。タイミングと作業スピード、どうにかならないかな?

投稿: あいねこ | 2004.06.21 12:01

やりましたね、ついに!!
子供の頃、富士スピードウェイにF1が来たとき以来、表彰台は夢でした。
(確かあの時はフェラーリが宙にまって大事故を起こしたような記憶が...)
実は、鈴木亜久里選手が優勝したときは日本にいなかったので、あまり印象が強くないのです。
メールアドレス(gp500katayama)を見ていただいても判ると思いますがどちらかというとこのときはWGPに興味が移っていたからかもしれません。
今回はリアルタイムで、しかも高速サーキットで圧倒的な速さを見せて表彰台に上がってくれた。
これまで日本人ドライバーにはなかった力を見せてくれた事に今後の期待も膨らんでしまいます。
これからも応援していきたいと思います。

投稿: FAIRNESS | 2004.06.21 22:53

先ほどのコメントで亜久里選手が「優勝したとき」とアホな事書いてしまいましたが、もちろん「3位表彰台」の間違いです。訂正させてください。

投稿: FAIRNESS | 2004.06.21 23:01

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