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2005.08.21

ブログと選挙

 インターネットがメディアとして影響力をもつようになって以来、選挙とネットの関係についてはいろいろ議論がなされている。特にブログの社会的な影響力は注目されているが、今回ライブドア・ブログが発表した今回の衆議院選挙についての声明にはひどく違和感を感じた。これでは事実上の検閲を宣言しているに等しい。さまざまなブログサービスの規約をすべて読んだわけじゃないし、昨年の参議院議員選挙の時に、ライブドアを含む各ブログサービスがなにを言っていたのかというのも不覚にも覚えていないんだが、今回あの社長が衆議院議員選挙に立候補したことも影響しているのだろうか。

 もしかしてこのブログを置いているブログサービス、ココログの運営者である@niftyもこの問題についてなにか発表しているかと思い、ココログのトップページにも行ってみたんだけど、@niftyは特に声明を出してはいないようだった。著作権その他についての各ブログサービスの考え方、あるいはそれにもとづく規約などの違いなどがあるのかもしれない。

 ライブドア・ブログを使用しているユーザーの一部には様々な反応がみられるようで、開設者が選挙に関してコメントした記事を自主的に修正したり削除したりする動き、あるいはブログ自体を閉鎖したり移設したりする動きもあるようだ。

 マスコミに登場する有名人もでない個人が、ブログで政党や候補者にささやかな支持表明あるいは異議申し立てしたとしても、それはおそらく表現の自由の領域の問題であって、規制の対象にあるべきものではない。ブログを含むWebサイトというのは、ブラウザに直接アドレスを指定するか、どこかにリンクされているアドレスをクリックしてやってくるしかない。これはいわば本屋で本を探すようなものだ。興味をもって自分で探し出すか、どこかで偶然見つけ出すかしかないのだ。本屋にさまざまな思想にもとづいて書かれた本があるように、ネット上のサイトに左右さまざまな主張があるのもあたりまえだ。公職選挙法違反についても、それが個人のブログであるかぎり、執筆責任はその個人に帰結されるべきで、選挙違反かどうかという判断が実際に司直の手によっておこなわれる以前に、一律に規制され、一方的に削除されるようなことがあるべきではない。

 そういう意味ではむしろ、各ブログサービスには、ブログ開設者の意図に反する、誹謗中傷記事からの悪意を持った一方的なトラックバックや、執筆者への匿名の圧力ともなり得る中傷コメントこそ問題視してもらいたい。これらを書きなぐる連中の悪辣さは、投票日の前の晩に、特定の候補者や政党の悪口を書いた違法なビラを密かにまくような連中と同じか、それ以上である。

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コメント

トラックバック、ありがとうございました。

ライブドアの件で私と同じ危惧を持っておられる方がいてほっとしています。既に影響は広がっているようで、非常にやばい状況になってきたと感じています。

投稿: 小川 | 2005.08.21 11:17

トラックバックありがとうございます。
公職選挙法はものすごく厳しい法律です。(罰則も厳しい)何せ候補者が「清き一票」って発言することすら禁止されています。慎重になるのも判るような気がします。

投稿: Felddorf | 2005.08.21 12:04

livedoorユーザーでありながら、こちらのエントリーを拝見するまで、気がつきませんでした。
迂闊・・・。

やはり変だと思うので、トラックバック貼らせていただきました。
いつものごとく下品ですが、どうかご容赦を。

投稿: gegenga | 2005.08.21 21:57

トラックバックありがとうございました。
>悪意を持った一方的なトラックバックや、執筆者への匿名の圧力ともなり得る中傷コメントこそ問題
そうなんですよね。意見の交換の場、情報共有の場としてのblogは既にある程度の定着を見ていると思いますし、エントリ内容を検閲するようなことよりもこの手のコトに対しての対策の方が必要だと思います。
ということは例えば
「総選挙関連のエントリーはコメント・トラックバックの機能をオフにすることを推奨します」あたりでもよさそうですよね。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: scapa | 2005.08.21 23:37

TBありがとうございました。
ライブドアがホリエモン出馬の報道がされた後、ブロガー相手に「…公職選挙法に違反する行為に抵触する恐れがございますので、弊社にて削除させていただく場合が…」云々の注意書きを載せたことには、随分呆れ果ててしまいました。私はライブドアブログを辞める決意をした後のことでしたが。
少なくとも、公示前?は議員だってインターネット活動はするんです。ブログを更新する等の。その後は、議員はネットでブログも更新できなくなるらしい、ということ位だけ私は把握しているのですが。
公示前から早々と、こんな慌てて取ってつけたような注意書き、それに特定政党を支持する形での社長の立候補、もはや、ポータルサイトとしての信用をみすみす無くしたようにしか、私には思えません。
ホリエモンがここまでのバ○とは思いませんでした。(言葉が悪いですが)

ということで引っ越し致しましたが、これからも宜しくお願い致します。
こちらでは有難いことにリンクもしてくださっていますが、今見てみたら、早速、リンク先も変えてくださっていました。ありがとうございます、感謝致します。m(__)m

投稿: 野良狸 | 2005.08.22 01:39

 職場から書き込みしています。

>小川さん

 ブログ興味深く拝見いたしました。「ネット世論の右傾化に危惧を抱いている」ひとりとして、クリックさせていただきました。ランキング上位があの手のブログに占められているという状況はやはり異常ですね。


> gegengaさん

gegengaさんのエントリ、タイトルがとっても挑戦的でしたね(笑)。でも、ほんとうに削除されたりしたら、これはこれで大問題なので、勇気ある実験(?)かもしれません。


> Felddorfさん

 公職選挙法の条文は私も今回読み直しました。おっしゃるようにとても厳しいものですね。ただ、公職選挙法にもとづく判断はあくまでも司直が行うわけで、事前の自主検閲のようなものは必要ないというのが私の考えです。選挙違反の疑いのあるものに警告を発する程度でいいのではないかと私は考えています。


> 野良狸さん

 最近、私のお気に入りのブログがあいついでライブドアから移転していくのを目にしました。また、移転しないまでも今回の問題によって一部の記事を自主的に削除されたところもありました。
野良狸さんが移転される理由は今回の問題が理由でなかったのですね。すこし安心しました。
 今回のライブドアの処置はどう考えても勇み足で、批判は免れないと思います。既成概念を打ち破るイメージで支持されたホリエモンも、所詮どっぷり既成概念の中に漬かってたというわけです。


> scapaさん

 公職選挙法違反のブログが現れたとき、執筆者だけでなくブログサービス運営者であるライブドアにどのような責任が及ぶのかはちょっと不透明ではありますね。
 いずれにしても、彼らが信奉する経済活動の自由に比べて、思想信条や表現の自由についてはずいぶん軽くみられているような気がします。
 ライブドアは成金企業だからか、まかりまちがえば訴訟に発展しそうな有力企業をめぐる書き込みには機敏に反応し、場合によっては記事の削除も実際に行っているようです。でも個人のブログにおける人権侵害の事実にはかなり無関心なようで、人権に関してやや鈍感な企業といわれても仕方がないかもしれませんね。

>>今後ともよろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いいたします。


 それにしても世論調査です。う~ 小泉内閣の支持率が上がったなどときくと、ほんと頭痛がします。でもその一方で、今回の選挙で投票に行こうと考えている人の割合は今までの選挙に比べ結構高いという調査結果も出ているようですので、ある程度期待ももっているのですが、いずれにしても有権者が小泉内閣をどう審判するのか、結果が気になるところです。もちろん、私も有権者なんですが。

投稿: Rough Tone | 2005.08.23 19:24

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